第2ヒートのスタートは12時20分。
最初は第1ヒート後から第2ヒートスタートまで3時間近くあるのでゆっくり過ごせそうと思っていた。しかしクールダウンや補給をしていたらあっという間に時間が過ぎていってしまった。
気がついたら11時を過ぎていた。身支度を整えて最後のウォーミングアップ開始である。今までと同様にやり過ぎずほどほどに実施した。スタート時間が近付いてきたらゆっくり走行して身体が冷えない様にして過ごした。
意識し過ぎだったのかもしれないがウォーミングアップ中は常に視線を感じた。
明らかにマークされている。
しかも多数の選手に。他の選手とすれ違うたびに視線を向けられているのが分かる。あまり気持ちの良いものではなかった。
第2ヒートは10周回。最後まで体力が持つか?ガチガチにマークされて身動きが取れないのではないか?第1ヒートとは違った不安と緊張感で第2ヒートのスタートを迎える事となった。
スタート前からずっと眠気に襲われていた。
欠伸(あくび)が止まらない。
5分間でも眠る事が出来れば良かったのだがレース前なのでそうもいかない。眠気と闘いつつスタート位置についた。スタートしたら嫌でも目が覚めるだろうと思った。
号砲一発!でスタート。
目が覚めた。レースは10周回。そして3周回目にはボーナスポイントがある。
どう展開するのか?
やはり出来るだけ先頭グループに留まるのが良さそうだ。後方は気になるが仕方が無い。先頭グループに留まったまま2周回が終了。
3周回目のボーナスポイントは2点あるいは1点でも良いと考えていた。しかし思いがけず先頭に出てしまった。他の選手のスピードが緩んだのだ。
そうしたら後ろから声がした。「○○さん、後ろについた方がいいんじゃないか?」
やはりマークされている。
しかも徒党を組んで。私はその声を聞いて「カチン」と来た。ついて来れるものならついて来てみろ!ペダルに力を込めた!
ボーナスポイントは2点あるいは1点でも良いと考えていたから、こちらは抜かれても構わない気持ちで駆けているので気が楽である。直線区間、石畳区間を抜けてゴール線へ進む。
しかし、ここまできたら何としても「3点」が欲しいので思い切りペダルを踏んでスピードを上げた。見事ボーナスの「3点」を獲得した。ゴール線を切った時、指を3本立てて「3点」獲ったぞ!とアピールした。しかしこれが思わぬ波紋を呼ぶ?とは思わなかった。
思いがけず「3点」を獲得した。単独で先頭に立った。ペダルに込める力を抜いてスピードを緩めて走行し始めた。しかし後続の選手が先頭に立とうとしない。
完全にマークそして警戒されている。あるいはこのまま先頭を走行させて疲れさせようという作戦か?4周回、5周回と単独でしかも先頭で走行した。
このままでは利用されるだけで何も良い事はない。6周回目に入った所で極端にスピードを落とした。後続の選手は戸惑っている様だ。しかしその中から一人の選手が飛び出し私の代わりに先頭に立った。
チャンスである。
私はしっかりと飛び出した選手の後ろに入った。ダッシュに成功したのだ。ハンドル&サドル高の変更が効いている様だ。
その選手は7周回が終わるまで先頭で走行してくれた。流石に疲れたのか8周回目で後ろに下がっていった。再び他の選手が先頭に立った。
私はこれも逃さずダッシュを決めて後ろについた。どうやら私の前で走る事を避けている選手が多い様だ。私の様に先頭の選手の後ろに付けばいいのだろうがそれを行わないのだ。
私は他の選手の後ろで走行していたお陰でボーナスポイントを獲得した時の疲れが薄らいできた。言葉は悪いが私は好きな様に走行させてもらっている状態だ。
マークされるのは辛いがそれを逆手に取る事が出来た様である。そうこうしているうちに8周回、9周回と周回は進んでいく。
相変わらず私は先頭選手の後ろで走行している。比較的楽に走行出来ているとはいうものの疲れは溜まってきている。そしてラスト1周を告げるジャンが鳴った!
9周目が終わった直後にある若干の上りで私はスパートをかけた。流石に疲労が溜まってきていたので切れ味は鈍かったが先頭に立った。後続に対し3~4車身離した模様だ。
上り切ってからは下りながら右方向へのカーブ。なるべくスピードを落とさない様にしてカーブを乗り切った。そして直線区間。
脚はかなり疲労が溜まっていたが後続に追いつかれては元も子もない。力一杯ペダルを踏んだ。実際この時点で体力の限界だった。ここの時点で追い抜かれていたら万事休すだった様に思う。
石畳の区間の入り口は左方向へのカーブで始まる。最後という事で焦ってしまったらしく大きく膨らんだ。しかもそれも取り返すべくハンドルを切った為に左側のペダルが地面と接触。幸い僅かな接触だったので転倒やスピードダウンには繋がらなかった。
石畳区間が終わって右方向へのカーブを進むとゴールである。恐る恐る後ろを振り返った。後続集団が来てはいるもののゴールまでの距離を考えるともう追い抜かれる心配は無い。
余裕を持ってゴールに入ろうとしたら近くから
「あんな奴に負けんな!追い抜いてしまえ!」
との声援?が聞こえた。レース中はやりたい放題だった事に加えてボーナスポイントでのアピール。だいぶ不評を買ってしまった様である。
そして1位でゴール。獲得ポイントはボーナス点と合計して「18点」。その結果、ノービスAクラスで得られる最高得点の全てを頂いた(タイムトライアルで5点、第1&2ヒートで25点、ボーナスポイントで3点)総合獲得ポイント数は33点となった。
20日のポイントレースが終了した時にはどうなる事かと途方に暮れたが一転して完全優勝をそして総合優勝を勝ち取る事が出来た。しかしこの勝利に浮かれてばかりはいられない。
ノービスAクラスよりレベルの高い「ミディアム」そして「エキスパート」のレース展開は一目で違う。スピードと展開は速い。そして力量が高い上に拮抗しているので全く油断が出来ない様に見えた。
またレースの走行距離も違う。第2ヒートのミディアムは15周、エキスパートは何と20周も走行する。もし仮に私がどちらかのクラスに参加していたならば入賞はおろか周回遅れで棄権扱いになっていただろうと思う。脚力、持久力のレベルが全く違う。
ノービスAクラスで優勝したからと言って浮かれてはいられない。実力の差は明らかである。来年はこのレースに参加するかどうかまだ分からない。
2014年サイクルロードレースin由利本荘 初日(9月20日)1/2 - 誰よりも速く!ロードバイクトレーニング
2014年サイクルロードレースin由利本荘 初日(9月20日)2/2 - 誰よりも速く!ロードバイクトレーニング
しかし、このレースに参加した事で巡航速度はより速く、そしてそれを長い時間維持して走行できる能力が必要だと痛感した。また繰り返されるダッシュに耐えられる脚力も必要だと感じた。
レースの目標はヒルクライムレースでの上位入賞あるいは優勝である。しかし山を上るにしても一定のペース(しかも速く)で長時間それを維持する能力が求められる。平坦と山道の違いはあるもののそれを再確認させてくれたレースだった。
初めてのクリテリウムでどうなる事かと思ったが怪我無くレースを終える事が出来てまずはホッとしている。
2014年9月20日、21日に開催された「第2回サイクルロードレースin由利本荘」はこんな感じでした。
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